省エネルギーを推進することは、エネルギー使用量の削減だけでなく、CO2排出量の削減にも寄与することから、カーボンニュートラル実現に向けた取組としてより経営的な価値が高まっています。また、これらの取組を行うことにより、取引先からの評価に加えて、ブランドイメージの高まり、リクルーティング効果などの企業価値向上や、ESG投資の呼び込みにつながることも期待されます。
カーボンニュートラルをめぐるグローバルな最新動向や省エネルギー・非化石エネルギーへの転換等の実践事例の紹介も交えて、カーボンニュートラル実現に向けた取組による企業価値向上のポイントを紹介します。
早稲田大学大学院単位取得退学、デンマーク工科大学暖房空調研究所、お茶の水女子大学助教授などを経て、2007年より現職。工学博士。専門は環境建築学を通した脱炭素社会の実現と快適性・ウエルビーイングの両立。空気調和・衛生工学会会長(2018~2020)、日本建築学会会長(2020~2023)を歴任。ENEX2024のエネルギーイノベーション総合展で基調講演者として登壇し、「改正省エネ法の描く未来」を講演するほか、カーボンニュートラルに関する講演実績も豊富。また、2023年度に、ZEB※とウエルネスを両立したサスティナブル研究施設(高砂熱学工業)で省エネ大賞 経済産業大臣賞(業務分野)を共同受賞している。
現在、資源エネルギー庁「総合資源エネルギー調査会」基本政策分科会委員、同「省エネルギー・新エネルギー分科会」省エネルギー小委員会委員長を務めている。
本社は愛知県丹羽郡大口町にあり、ボルトやナット・樹脂製品などの自動車用ファスナーを製造・販売している。
2022年にCN推進専任事務局を設置し、エネルギー使用量の見える化を進めながら、日常改善を中心とした省エネ活動を全社で推進している。また、中長期的な目標を設定し、革新的な技術の導入や再生可能エネルギーの活用検討と、サプライチェーン全体でのCO2削減にも取り組んでいる。カーボンニュートラルを社会的責任また経営課題の一つと捉え、企業が成長する“チャンス”と考えて積極的に活動中。
本社は三重県四日市市。電気絶縁材料・電子材料の精密加工を得意とし、電力・自動車・半導体製造装置部品など幅広い業界で展開。
三重県の脱炭素経営支援事業に参画し専門家指導を受けることで、2030年までにCO2排出量を2020年比で42%削減するSBT目標を設定し、2022年にSBT認定取得。また、太陽光パネルの導入による工場や電気自動車、事務所への電気供給、三重県産CO2フリー電気「三重美し国Greenでんき」の利用のほか、SDGs経営全般に積極的に取り組むことで、三重県より第1回「三重のサステナブル経営アワード」で表彰された。現在は、省エネ診断の受診結果をもとにした設備の運用改善の具体的検討を進めている。
本社は愛知県名古屋市。廃棄物収集運搬・処分業を主要事業として、自然エネルギー事業、養蜂事業、環境啓発事業、SDGs実装支援・普及啓発事業といった環境ソリューション事業を展開。
廃棄物収集運搬・処分業者として中部地域初の中小企業版SBT認定を取得し、2030年に2021年比で50.4%削減、2050年のカーボンニュートラルを目標に設定。再エネ電力の導入により、自社工場および事業所の使用電力を全て再エネ由来とすることでRE100を達成。これらをはじめとする各種取り組みによる脱炭素経営を通じて、企業価値を向上させたことで新規顧客獲得や求人獲得も実現。